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玉田 正男; 越川 博; 大道 英樹
Thin Solid Films, 293(1-2), p.113 - 116, 1997/00
被引用回数:4 パーセンタイル:33.02(Materials Science, Multidisciplinary)N-ビニルカルバゾール(NVC)を260K以下の基板の上に真空蒸着し、薄膜作製過程を赤外反射吸収法によりリアルタイムでその場観察した。基板として銀を100nm蒸着したスライドガラスを使用した。薄膜作製過程ではカルバゾール基面と基板表面とのなす角度が59度と71度の2種類の配向膜が観察され、それぞれ、タイプI及びIIと名付けた。NVCは蒸着開始直後はタイプIの配向で基板に付着した。膜厚がほぼ140nmに達するとタイプIIの配向で付着した。同時におおよそ140nmの膜厚までタイプIとして体積したNVCは基板に接した30nmの層を残して、タイプIIへと再配列した。薄膜作製に使用したNVCの示差熱分析では260K以下の温度領域では再配列等に対応する熱の移動は認められないことから、このような再配列は蒸着で作製した薄膜にのみ観察できる現象であると考えられる。